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財務諸表について
バリュー投資法の中で企業分析を行うことは非常に重要な
ポイントとなります。優良企業であるかどうかをしっかり吟味していきます
その際に非常に重要になってくるのが
財務諸表です。
企業が1年に一度、帳簿をしめてその成績を数字で示すことを「決算」といいます。
そして、その時に企業が作成するのが、『財務諸表』です。
財務諸表には、いくつかの種類があります。
簡単に説明すると…
財務諸表の中身
①貸借対照表:一定時点(決算日)における企業の「財政状態」
②損益計算書:一定期間(一年間)における企業の「経営成績」
③キャッシュフロー計算書:一定期間(一年間)における企業の現金(および現金同等物)の流れ
④営業報告書:当期の営業状況や、今後の見通し
⑤利益処分計算書:株主総会で決議された利益処分の内容
⑥附属明細書:貸借対照表や損益計算書の重要な項目についての明細
を示しています。
その中でも、「貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書」の3つを
『財務三表』とも呼び、財務諸表の中で最も重要視されています。
財務諸表がなぜ必要なのか?
財務諸表の必要性について考えて見ましょう。
例えば、企業がそのオーナーである社長ためだけに存在するものだとします。
そうすると、その社長が自分のためだけにその会社の利益を計算するのなら、
社長は自分の都合に合わせて、できる限り手間を省いて、
現金と預金の残高だけを調べるだけでも十分なのかもしれません。
しかし、実際には、企業には多くの利害関係者が存在しています。
例えば、従業員が受け取る給与や賞与は、その企業の活動状況に大きく関わってきます。
よって、財務諸表が公平で、かつ、正確なものである必要性があります。
その中でも上場企業の場合は、数多くの株主が存在します。
その株主達も、それぞれの立場から企業の財政状態、
経営成績などの情報を必要としています。そう!あなた自身でも是非、株主となって
財務諸表を見てみてください
利害関係者がなぜ、財務諸表を必要とするのか?
企業が存続するためにはあらゆる利害関係者が存在します。
株主・投資家が最初に頭に浮かびますが、
各利害関係者の視点、また決算書をどのように見て考えているのかをご紹介しましょう。
1.株主・投資家
すでに出資している株主であれば、今後も継続して投資するかどうかを決算書から読み取ります。
これから投資を検討している投資家は、損益計算書の5つの利益に加え自己資本比率や流動比率・固定比率など企業の安定性や将来性を決算書から確認し、投資の是非を判断します。決算書で示された数字を根拠として、投資を行うことから、投資家を目指すのであれば、是非、決算書の読み方を勉強しましょう
2.取引金融機関
融資を申し込む金融機関も、利害関係者であるといえます。
予定通りの返済を続けていれば良い顧客といえますが、もし返済が滞れば迷惑を被ることになるからです。
融資しても大丈夫かどうかを探るためのおもにな資料が決算書となるため、株主や投資家と同じほど、あるいは最もよく決算書の内容を熟読するステークホルダーは取引金融機関となるでしょう。
特に、損益計算書の5つの利益の額・在庫や売掛金の残高・借入金の残高・雑損失や雑収入は重点的にチェックされます。
3.取引先
販売先や仕入れ先、外部委託業者などの取引先も重要なステークホルダーです。
取引先が決算書を確認する機会としては、おもに新規で取引を検討する場合が多くなります。過去から現在まである程度安定して黒字経営をしているか、負債割合が多すぎないかなどを確認します。
販売先としては、この企業は信頼できる商品・サービスを提供してくれそうかを考え、仕入れ先であれば、売掛けなどの信用取引を行っても問題ない企業かを検討します。
委託業者も、報酬の支払いに関して安心できる企業かを確認するために決算書を見ることがあります。
4.従業員
身内なので見過ごされがちではあるものの、大切な利害関係者(ステークホルダー)であるのが従業員です。役職に就いていない、一般の従業員も含めてそういえます。役員は取り組むべき課題また経営戦略を確認します。ただし、役職に就いていない従業員が決算書を見る機会は、少ないのが現実です
5.まとめ
一般の顧客が企業の決算書を確認する機会はごくまれですが、住宅購入を検討する際など長期に亘って支払いを続ける高額の買い物をする際には、購入を検討している企業の財政状況を確認し、倒産の恐れがないかなどを調べることもあるでしょう。
会計の知識がなければ決算書の内容をすべて理解するのは難しいものの、他社の決算書と比較して負債額や利益率などの点に注目される可能性はあります。
ということで、財務諸表の重要性を少し理解出来ましたでしょうか?
財務諸表の重要性が理解できたところで、
各諸表の読み方が必要なります。
次は財務三表のもう少し詳しい内容をご紹介していきます